建設業は国内総生産(GDP)の10%、建設業で働いている人は全産業就業人口の8%を擁しているとても大きな産業です。人々の暮らし、社会環境インフラの裏方として、設備の更新、老朽化対策、維持管理など果たすべき役割は増しています。そんな建設業界の現状を見ていきましょう。
建設投資額から見る建設業界
建設投資額っていうのは、国内の建設活動に投資した額のことです。これを見ると国内の建設におけるマーケットの規模を読み取ることが出来ます。
建設投資の分類
建設投資と一言で言っても、いくつかの分類分けされています。以下にその分類について書いておきます。
- 建設投資
- 建築
- 住宅
- 政府
- 民間
- 非住宅
- 政府
- 民間
- リフォーム・リニューアル
- 政府
- 民間
- 住宅
- 土木
- 政府
- 公共事業
- その他
- 民間
- 政府
- 建築
建設投資額の動向
建設投資額は唱和59年度以降増加を続け、平成8年度あたりまでは80兆円台で推移していました。しかし、平成9年度からは減少の一途を辿り、現在では約半分程度まで減っています。
単純に仕事量が半分になっているといううことですね。ということで建設業界は今、とても大変な状況になっています。
建設業許可業者数
平成30年3月末における建設業法に基づく全国の建設業許可業者数は、前年に比べて0.1%減で約46万5000業者でした。建設業許可業者数のピークは平成12年3月です。現在は当時に比べて22.6%減少しました。仕事量は半分になったにも関わらず、業者の数はそこまで減っていないので、競争率が高くなっていると言えます。各業者の生き残り争いが熾烈になっていると言えますね。
建設業の構成を一言で表すと次のようになります。
圧倒的多数の中小企業及び個人と極めて少数の大企業で構成されています。
建設業就業者
平成29年の建設業就業者数は約500万人です。全就業者数の約7.6%の人が建設業で働いています。この就業者にも問題を抱えています。
今後、労働力の高齢化は全産業を通じて急速に進行すると考えられていますが、建設業においてはすでに若い(29歳以下)労働者の比率が低いです。これは全産業の平均と比べても低いです。逆に、高齢(55歳以上)の労働者の比率は高くなっています。こちらも全産業平均より高い比率となっていて、労働人口の確保が今後の課題となっています。
労働時間と賃金
労働時間の推移
建設業における1人平均年間総労働時間は、平成元年では2248時間でしたが、平成28年には2102時間になっています。建設業は、1品受注生産、現地屋外生産など労働時間の短縮には困難な側面があります。そんな中、週40時間労働の実施に向けて様々な努力がなされています。しかし、詳しく中を見てみると、全産業平均より年間300時間も多く働いていることになっています。建設業の厳しい労働環境がここから読み取れますね。
労働賃金は・・・
ここまで読むと、せめて賃金ぐらい高くあって欲しいと思いますよね。でもその考えは甘いですね。なんと建設業就業者の賃金は全産業平均の80%程度にとどまっています。これは製造業に比べても5%低い状況なんです。ただこれは現状です。昨今、一部地域、職種で労働者が不足傾向にあるため、今後は賃金も上昇傾向に転じていくはずです。