もしも発達障害の人が部下になったら ~生きづらさを感じる原因~

私が勤めている会社には、いろんな障がいを抱えながら働いている人がたくさんいます。

私もその内の一人で、手と目に障害を抱えています。

幸い、周囲の人が理解してくれているため、

今のところ特に大きな問題もなく働けているのですが、障がいにもいろいろと種類がありまして、

私のように目で見てすぐわかる障害を抱えている人もいれば、目の障害のように見た目では判断できない障がいを抱えている人もいます。

今回は障がいの中でも、「発達障害」と呼ばれている障がいに焦点を当ててみたいと思います。

そもそも、発達障害って何

一言で表すと、「生まれつき、脳がつかさどっている機能の発達に関する障がい」ということになります。

脳がつかさどっている機能というのは、話すとか聞く、読む、書く、考える、等の機能のことです。そのほかにも脳の役割はたくさんあると思います。

人の顔が一人一人微妙に違うのと同じように、脳が持っている機能にも一人一人微妙に違う特徴があります。これらの機能がバランスよければさほど問題になることは無いのですが、どこかが飛びぬけて成長したり、極端に成長できなかったりするなどのアンバランスがあると、社会生活に支障をきたすようになってしまいます。

発達障害は生まれつきの障がいのため、子ども時代にもこの障がいが原因の行動特性は現れています。学校に通っているときは、勉強の場ですから、周囲の人が協力してくれたり、先生がサポートしてくれたりすることが多いと思うので何とか生活することができます。しかし、働き始めるとそのサポートが急に、無いに等しい状態となってしまい、対人関係、業務遂行においてトラブルとして障がいの影響が現れてきてしまうのです。

発達障害の種類

発達障害と一言でまとめていますが、発達障害には大きく3つの種類があります。

  1. 自閉症スペクトラム障害(ASD)
  2. 注意欠如/多動性障害(ADHD)
  3. 限局性学習障害(LD)

ASD・ADHDの特徴

ASDの主な特徴は、「コミュニケーション及・対人関係の持続に関する障害」と「限定的な反復行動、興味、活動」です。つまり、対人関係がうまくいきにくいということと、行動や興味に独特のこだわりを示すことが主な特徴です。

ADHDの主な特徴は、「不注意」と「多動」と「衝動」です。つまりは、「注意力が継続できない」、「集中力がない」、「落ち着きがない」、「待てない」、「よく忘れる」などが主な症状です。

これらは、どちらか片方だけの症状が現れることもあれば、ASD、ADHD療法の症状を併せ持っている人もいます。

ただ、この特徴があるからと言って、すぐにASDだとかADHDだと断定することはできないのです。最初に紹介したように、だれにでもある程度の脳機能の違いはあるからです。その人の性格や個性だと判断されてしまうかもしれないからです。

発達障害の特徴がいくつ当てはまれば、障がいと認定するわけでもないですし、明確な基準がないためです。

発達障害のイメージ

次の図を見てください。

ADHDやASDと診断される境目を表現している図

これは、健常者とされる人と発達障害とされる人の境界線を表しているものだと考えてください。この図によると、グレーゾーンと書かれた領域の左側は健常者と捉えられるゾーンです。右側は発達障害捉えられるゾーンです。

健常者捉えられる人にも、発達障害の特徴を少しは持っているということです。逆に発達障害とされるもはすべてが発達障害というわけではなく、発達障害の特徴を通常の人よりも多く持っているということになります。

そして、グレーゾーンという点線で囲まれている人達は、特に診断とか周囲からの支援を受けてはいないけれど、障がいの特徴が見え隠れしていて、時には生きづらさを感じている人たちの集合です。グレーゾーンの人たちは、学生までは何ともなく過ごすことができていたが、社会に出てから人間関係がうまくいかず、好ましくない状況が続いている場合があることが多いです。

私も、このグレーゾーンに当てはまるのではないかと考えるようになりました。

  • 最近どう?と聞かれると何を答えればよいのか分からずパニックになる
  • 人の話を聞きながらメモを取れない
  • 複数の仕事を頼まれると、忘れてしまう仕事がある
  • 報告しろと言われても何をどのようにいつ報告すればよいのかわからない
  • 急に変更されるとパニックになる

社会人になりたての時、上記のようなことを感じていました。今思えば自分にも発達障害の特徴が少しあったんだろうと思います。今まで何とか生きてきましたが、社会人になったときは本当にこのまま生きていけるのだろうかと感じました。とても生きづらい世の中になったものだと思いました。

もっと普通に生きていけると思っていました。自分の親がそうだったように、普通に仕事して、お金を稼いで。

同じように感じている人がいたら、それは発達障害の特徴が少し顔を出しているのかもしれません。

自分にはどんな特徴があるのか考える参考にしてみてください。

   

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