建設工事とは切っても切れない労働災害 1時間に1人以上が・・・・

建設工事現場では多くの人が働いているがゆえに、その分、危険もたくさん潜んでいます。建設業ではどのくらいの頻度で労働災害が起きていて、ほかの産業に比べてどのくらい危険なのか紹介したいと思います。

労働災害について

死傷者数

平成29年度の建設業における休業4日以上の死傷者数は15,129人で前年に比べて増加しています。平成30年度は15,374人でまた増加しています。ここにきて、減少傾向であった死傷者の数が増加してきています。この数は全産業の12%程度ですが、建設業で働く人は全産業の8%程度です。このことから建設業における死傷者数は多いといえますね。これには人手不足が関係しているのではないかと考えています。

監理技術者たるものは、建設工事における死傷災害の発生率の高さを認識する必要があります。そしてこの発生率を減少させるという強い気持ちをもって仕事をするべきであると思います。

死亡者数

続いて死亡者数についてです。死亡者数は平静29年度時点で323人となっていて、平成30年度は309人となっています。死傷者数は増加していましたが、死亡者数は減っています。

ということは死亡率は少しだけ減少しているといえます。しかし309という数値は全産業における死亡者の約3割にあたる数値です。建設業の就労者数の割合は先にも書きましたが、8%程度です。このことも考慮すると全産業の死亡者の3割が建設業であるというのは相当多いといえます。いかに建設現場の事故が死亡災害につながりやすいかがわかると思います。

監理技術者は死亡率の高さも認識し、災害を減少させることが強く求められています。

死亡災害の発生状況

建設業における死亡災害の発生状況は墜落・転落によるものが全体の41.8%となっていて最も多いです。死亡災害の半分くらいは墜落・転落によるものであるということです。特に建築工事で発生する割合が高くなっているようです。

施工計画の段階で、事前教育を実施するなど安全に対する意識を高めるための対策を実施する必要があります。また、墜落・転落災害は何十mもの高所だけでなく、1m、2mなど高所の中では比較的低い高さの場所でも、発生することがあります。朝礼、KYなどで危険を見逃すことの無いよう、具体的に注意する箇所を指摘するようにしましょう。

「1メートルは一命取る」と覚えておきましょう。

続いて、「交通事故」、「崩壊・倒壊」、「激突」、「挟まれ・巻き込まれ」、「飛来・落下」と続いています。

これらの発生状況をみると、土木工事の道路建設工事で最も多く災害が発生しています。その理由は、道路交通を部分的にしか遮断せず、工事個所が狭いことから人と機械が近接することが多いからです。監理技術者は人と機械をどう分離するか、合図の方法などに配慮が必要です。

建築工事では木造家屋建築工事において、事故が最も多く発生しています。基本的に低層階での工事になるため油断が生じやすいということが原因にあげられます。監理技術者は高さが低いからと言って、作業する人が油断しないように注意喚起及び安全帯を適切に使用するように指示をする必要があります。

三大災害

  1. 「墜落・転落」
  2. 「建設機械・クレーン等」
  3. 「倒壊・崩壊」

これら3種類のことを三大災害と言われています。三大災害は全死亡災害の90%以上を占めています。そのため、これらの災害を防ぐことが災害を防ぐうえで有効です。

「墜落・転落」災害は屋根、建築物、足場で半数以上が発生しています。「建設機械・クレーン等」災害はトラック、乗用車、バス、掘削機械が原因で60%以上を占めています。「倒壊・崩壊」災害は建築物、仮設物、地山における災害が75%も発生しています。

監理技術者はどのような作業でどのような災害が多いのかを認識している必要があります。さらに個々の作業内容に応じて適切な対応すること、作業員に対してはより具体的な安全指示、教育を行うことが大切です。

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