建設業法では、工事の請負契約の適正な締結やきちんと工事現場を完成させるために、必要な知識や技量を備えた技術者を営業所や工事現場に配置するように定められています。逆に言えば、技量を持っている人(有資格者)がいなければ工事を請け負うことができないということです。そんなことになってしまってはお金をもらうことができません。どのような金額の時どのような条件の時にどのような資格が必要なのか見ていきましょう。建設業で働く皆さんは資格取得を目指しましょう。
建設業法における技術者制度
許可の種類 | 特定建設業 | 一般建設業 | |||
指定建設業 | 指定建設業以外 | ||||
許可を受けている 業種 | 土木工事業 建築工事業 | 左以外22業種 | 29業種 | ||
資格要件 (営業所) | 1級国家資格者 国土交通大臣認定者 | 1級国家資格者 実務経験者 | 1級・2級 実務経験者 | ||
元請工事時の 合計下請金額 | 4000万円 以上 | 4000万円 未満 | 4000万円 以上 | 4000万円 未満 | 4000万以上 |
工事現場に 置くべき技術者 | 監理技術者 | 主任技術者 | 監理技術者 | 主任技術者 | 主任技術者 |
資格要件 (工事現場) | 1級国家資格者 国土交通大臣 | 1級・2級 実務経験者 | 1級国家資格者 実務経験者 | 1級・2級 実務経験者 | 1級・2級 実務経験者 |
専任について | 1.公共性のある施設(多数の者が利用する物)に関する重要な工事 かつ 技術者の専任が必要 | ||||
監理技術者資格者証及び講習の必要性 | 監理技術者の専任を要する工事の場合に必要 | 不要 | 監理技術者の専任を要する工事の場合に必要 | 不要 | 不要 |
営業所における専任の技術者
建設業者は営業所ごとに専任の技術者を置かなければならない(法大7条第2号、第15条第2号)。これは建設工事の請負契約の適正化と、発注者を保護するために行うものです。ここでいう、「営業所における専任の技術者」とは、営業所に常勤しその職務に従事するものです。
一方、建設業はこれまで以上に生産性の向上を求められていて、技術者の配置や運用に対する関心が高まっているようです。このような状況を踏まえて、営業所における専任の技術者の取り扱いルールに変更があります。
大きな変更点は次の通りです。
”当該営業所で契約された工事に現場で従事しながら営業所の職務にも従事し得る程度に工事現場と営業所が近接し、常時営業所と連絡を取り得る場合は、営業所における専任の技術者は、当該工事現場の主任技術者又は監理技術者を兼務できる。”とされています。
これはつまり、一定要件のもとで営業所専任技術者が専任を必要としない主任技術者または監理技術者を兼務してもよいということです。
主任技術者・管理技術者の配置(現場)
建設業の許可を受けている建設業者は、請け負った工事を施工するとき、請負金額の大小、元請、下請に関わらず、工事現場に必ず主任技術者を設置しないといけません。さらに言えば、元請でかつ4000万円以上を下請契約するときは監理技術者を設置しなければいけません。
主任技術者・監理技術者の要件
主任技術者・監理技術者になるには一定の要件を満たさなければいけません。特に指定建設業(土木工事業、建築工事業、電気工事業、菅工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)の監理技術者は国家資格を有するものであり、国土交通大臣特別認定者に限定されるため、より厳しい要件が求められています。
1級の国家資格(1級施工管理技士等)の試験に合格するだけでは、特定建設業の監理技術者になることはできないのです。
資格要件 | ||
主 任 技 術 者 | 1)実務経験者
2)1、2級施工管理技士等の国家資格者等 3)1)又は2)と同等以上と認められるもの | |
監 理 技 術 者 | 指定建設業以外 | 1)1級施工管理技士等の国家資格者 2)主任技術者の要件のいずれかに該当する者のうち、発注者から直接請け負い、 3)1)または2)と同等以上と認められるもの |
指定建設業 | 1)1級施工管理技士等の国家資格者 2)国土交通大臣特別認定者 |